地域の文化を守り続けた
私設美術館
昭和6年(1931年)、東京・神戸で活躍した初代館長・三枝基が、農村地帯であった遠州大須賀へと帰郷し、この美術館を設立しました。その志は「地域に文化を、若い芸術家にチャンスを」——都市の文化の潮流を、静かな農村へと届けようとする、一人の人間の篤い思いから生まれた場所です。
館内に並ぶのは、著名な画家の名作ではありません。篤志家たちから寄贈された絵画や書、当時まだ珍しかった海外からの調度品や土産物、そして近隣地域で用いられてきた瓦や民具など——時代と暮らしの記憶が積み重なったコレクションです。美術館というより博物館、あるいは民俗資料館に近い、人々の息遣いが感じられる展示が、今もこの場所に静かに残されています。
近年は建物の老朽化という課題に直面しています。この歴史的建造物を次世代に残すため、民泊「愛宕下の宿」として運営を開始しました。